撹拌混合
吐出流量・循環流量
動力数 $N_p$ と翼寸法から吐出流量数 $N_{qd}$ を推算し、吐出流量 $q_d$ と循環流量 $q_c$ を計算します。
入力
翼形状・撹拌レイノルズ数・バッフル条件に応じた動力数を入力してください。動力数は亀井・平岡の式(バッフル無し)またはバッフルあり撹拌所要動力で計算できます。
入力すると、液量 $V$ と循環時間 $t_c = V/q_c$ も計算します。
計算結果
入力値を入れて「計算する」を押してください
計算式
吐出流量数は『最新ミキシング技術の基礎と応用』p.9 式(1.17)によります。
乱流条件では、動力数 $N_p$ から吐出流量数 $N_{qd}$ を概算できます。吐出流量数が分かれば、吐出流量 $q_d$ と循環流量 $q_c$ はそれぞれ $n d^3$ を掛けて求めます。
$$ N_{qd}=0.32\left(n_p^{0.7}\dfrac{b}{d}\right)^{0.25}\left(\dfrac{D}{d}\right)^{0.34}N_p^{0.5} $$
$$ q_d = N_{qd} n d^{3}, \qquad N_{qd} = \dfrac{q_d}{n d^{3}} $$
循環流量数 $N_{qc}$ は、吐出流量数に槽内での同伴流量を加えた形で整理します。
$$ N_{qc}=N_{qd}\left[1+0.16\left\{\left(\dfrac{D}{d}\right)^2-1\right\}\right] $$
$$ q_c = N_{qc} n d^{3}, \qquad q_c = \dfrac{V}{t_c} $$
- $q_d$:吐出流量[m³/s]
- $q_c$:循環流量[m³/s]
- $t_c$:循環時間[s]
- $V$:槽内液量[m³]
- $N_p$:動力数[-]
- $N_{qd}$:吐出流量数[-]
- $N_{qc}$:循環流量数[-]
- $n_p$:羽根枚数[-]
- $n$:回転数[1/s]
- $b$:翼幅[m]
- $d$:翼径[m]
- $D$:槽径[m]
- $H$:液深さ[m]
- 上式は乱流条件下の概算式です。層流・遷移域や特殊翼では、翼ごとの実測値や別の相関式を参照してください。
動力数を計算する
動力数 $N_p$ が分からない場合は、バッフルの有無に応じて次のページで計算してください。
適用範囲と注意事項
動力数 $N_p$ と寸法比から吐出流量数 $N_{qd}$ を経験式で見積もり、循環流量は同伴流量を加えた形で求める概算です。翼ごとの流量数の実測値を使う計算ではありません。
- 使える条件:乱流域で、入力する $N_p$ が運転条件の翼・バッフル条件に対応した値である場合。層流・遷移域や特殊翼は、上の式の説明にあるとおり対象外です。
- 寸法比の目安:$d/D$ が 0.2〜0.6、$b/d$ が 0.05〜0.4 の範囲から外れると、結果欄に注記が出ます。この範囲は一般的な撹拌槽の寸法比の目安として組み込まれたもので、式の保証範囲として確認したものではありません。
- $N_p$ の誤差の効き方:$N_{qd}\propto N_p^{0.5}$ なので、$N_p$ が 20% ずれると吐出流量はおよそ 10% ずれます。バッフルの有無で $N_p$ が変わる翼では、条件に合う $N_p$ を前段のツールで求めて入力してください。
- 循環流量の読み方:$q_c$ は翼から直接吐き出される $q_d$ に槽内の同伴流量を加えた量です。同伴の係数 $1+0.16\{(D/d)^2-1\}$ は $D/d$ の2乗で増え、$D/d=3$ で 2.28、$D/d=5$ で 4.84 になります。$d/D$ が小さい槽ほど、$q_c$ の値は同伴の項に左右されます。
- 循環時間:$t_c=V/q_c$ の $V$ は $\pi D^2H/4$ の円筒容積で、底の形状や槽内構造物の容積は含みません。$t_c$ は槽内を液が一巡する目安で、混合が完了するまでの混合時間 $\theta_M$ とは別の量です。
参考資料
書籍
最新ミキシング技術の基礎と応用(化学工学の進歩42)
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