設備新設費の概算(モジュール係数法)
機器の購入価格に機器の種類ごとの設置係数を掛けて工事費・間接費を見込み、予備費を加えて総額の目安を出します。
入力
| 種類 | 台数 | 価格[円/台] | 材質の倍率 | |
|---|---|---|---|---|
| 機器1 | ||||
| 機器2 | ||||
| 機器3 | ||||
| 機器4 | ||||
| 機器5 | ||||
| 機器6 |
台数は空欄なら1台です。材質の倍率は、炭素鋼でつくった場合の価格に対する倍率です(例:胴・管ともステンレスの熱交換器で2.5〜4.5程度)。空欄なら1として計算し、高価な材質ほど工事費が多めに出ます。古い購入実績や別の容量の価格は、0.6乗則とコスト指数で今の価格に直してから入れてください。
既設設備とのつなぎ込み・撤去・建屋・ユーティリティの引込みなど、分かっている費用の合計です。
精度の幅の目安に使います。
確立したプロセスで10〜20%が目安です。空欄なら0%として計算します。
通常3〜5%です。自社施工や、見積の価格に含まれている場合は0%にします。
計算結果
計算式
機器ごとに、購入価格(機器費)に設置係数を掛けて据付後の費用を求めます。設置係数は、配管・基礎・架構・計装・電気・保温・塗装の材料、工事の労務、間接費(輸送・現場経費・設計)を含めた費用が機器費の何倍かを表す値で、予備費と業者のフィーは含みません。
- $E_i$:機器費(価格×台数)[円]
- $M_i$:材質の倍率[-]
- $F_{\mathrm{BM},i}$:設置係数[-]
- $C_{\mathrm{x}}$:係数に入らない費用[円]
- $r_{\mathrm{c}}$:予備費率[-]
- $r_{\mathrm{f}}$:業者のフィー率[-]
設置係数は炭素鋼の機器を基準にした値です。高価な材質では工事費まで材質の倍率で増えることはないため、工事費は機器費を材質の倍率で割った額に掛けています。
設置係数とラング係数
| 機器の種類 | 設置係数 $F_{\mathrm{BM}}$ |
|---|---|
| 塔・縦型容器(反応器を含む) | 4.00 |
| 横型容器・槽 | 2.97 |
| 熱交換器 | 3.14 |
| ポンプ(駆動機込み) | 3.25 |
| 圧縮機 | 2.90 |
| その他の機器(化学プロセスの平均) | 2.95 |
| 据付工事なし(予備品など) | 1.00 |
出典:Guthrieのモジュール係数(化学工学協会 編, 1975)から算出。
| プラントの種類 | ラング係数 |
|---|---|
| 固体を扱うプラント | 3.10 |
| 固体と流体を扱うプラント | 3.63 |
| 流体を扱うプラント | 4.74 |
出典:Lang(1948)。ラング係数法は主要機器費の合計に係数を掛けて、建屋・ユーティリティを含むプラント全体の総建設費を出す方法です。既設の工場に機器を加える工事では大きめに出ます。
精度の目安と係数の前提
| 見積の段階 | 精度の幅 |
|---|---|
| 構想:容量の換算や類推が中心 | −50% 〜 +100% |
| 概略:機器の一覧と係数で出す | −30% 〜 +50% |
| 予算:主要機器は見積があり工事費も一部積み上げ | −20% 〜 +30% |
出典:AACE 18R-97(Class 5〜3の幅の広い側)。概略の幅は、国内のF/S用見積(関山, 2026)と同じです。
- 係数は米国の化学プラント(1960年代、エンジニアリング会社の施工)の平均的な値です。自社の実績があれば、総額÷機器費を実績と比べて確かめてください。
- 既設設備とのつなぎ込み、撤去、建屋、運転中の工事による割増しは係数に入っていません。分かる分は「係数に入らない費用」に入れます。
参考資料
本ツールの式・数値は次の資料に基づいています。
- 化学工学協会関東支部 編『プロセス設計シリーズ6 経済評価とプラントコスト』丸善(1975)第3章(モジュール法 表3・14・図3・7、チルトン法)
- 白石 浩『化学プラントのプロセス設計―化学プラント工学入門―』分離技術会(2011)7章 表7.1
- 関山 隆彦「化学プラント建設費について」化学工学 第90巻 第1号 pp.13–17(2026)(PDF)
- AACE International Recommended Practice No. 18R-97 “Cost Estimate Classification System – As Applied in Engineering, Procurement, and Construction for the Process Industries”(Rev. 2020)Table 1(PDF)
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