流動
ポンプ計算(全揚程・NPSH・軸動力)
ポンプ系統の全揚程、利用可能NPSH、軸動力、モーター入力動力をまとめて計算します。同じポンプ条件に対して、揚程は足りるか・キャビテーションしないか・必要動力はどれくらいかを1画面で確認できます。
入力
基本条件
水動力・軸動力・モーター入力の計算に使用。
m
ポンプ中心線基準。低い液面(吸い上げ)は負。全揚程・NPSHa で使用。
m
ポンプ中心線基準(上向きが正)。全揚程で使用。
ゲージ圧。大気圧解放なら 0 kPaG。全揚程・NPSHa で使用。
ゲージ圧。大気圧解放なら 0 kPaG。全揚程で使用。
配管損失
全揚程・NPSHa で使用。
エルボ・バルブの相当長を含めた合計。全揚程で使用。
NPSH条件
運転温度での飽和蒸気圧(絶対圧)。水20℃で約2.34 kPa abs。
kPa abs
ゲージ圧→絶対圧の換算に使用。通常は 101.325 kPa。
m
ポンプメーカーの値。入力すると余裕(NPSHa − NPSHr)を表示。
動力条件
[-]
遠心ポンプは概ね 0.5〜0.8。軸動力の計算に使用。
[-]
モーター入力の計算に使用。
計算結果
入力値を入れて「計算する」を押してください
全揚程の計算
ポンプ系統に必要な全揚程 $H$ は、ベルヌーイ式から次の3項の和になります(速度ヘッド差は通常は無視します)。
$$ H = (z_{2} - z_{1}) + \dfrac{P_{2} - P_{1}}{\rho g} + \dfrac{\Delta P_{s} + \Delta P_{d}}{\rho g} $$
- $z_{2} - z_{1}$:実揚程(吐出液面と吸込液面の高さ差)
- $(P_{2} - P_{1})/\rho g$:静圧差(タンク圧差を揚程に換算)
- $(\Delta P_{s} + \Delta P_{d})/\rho g$:摩擦損失(吸込・吐出配管の圧力損失合計)
$P_{1}, P_{2}$ はゲージ圧どうしの差なので、全揚程ではゲージ圧のまま計算できます。
利用可能NPSH(NPSHa)
NPSHa は、ポンプ入口でキャビテーションを起こさないために、入口圧力が飽和蒸気圧をどれだけ上回っているかを揚程で表したものです。
$$ NPSH_{a} = \dfrac{(P_{1} + P_{a}) - P_{v}}{\rho g} + z_{1} - \dfrac{\Delta P_{s}}{\rho g} $$
- $P_{1} + P_{a}$:吸込タンクの絶対圧(ゲージ圧 $P_{1}$ + 大気圧 $P_{a}$)
- $P_{v}$:運転温度での飽和蒸気圧(絶対圧)
- $z_{1}$:液面とポンプ中心の高さ差(液面が上にあれば正)
- $\Delta P_{s}$:吸込配管の摩擦損失
NPSHa は絶対圧基準で評価します。全揚程は差圧でよいのに対し、NPSHa では吸込側のゲージ圧 $P_{1}$ に大気圧 $P_{a}$ を足して絶対圧へ換算しています。
軸動力とモーター動力
$$ P_{w} = \rho g Q H \qquad P_{s} = \dfrac{P_{w}}{\eta_{p}} \qquad P_{m} = \dfrac{P_{s}}{\eta_{m}} $$
- $P_{w}$:水動力(液体に与えられる動力)
- $P_{s}$:軸動力(ポンプ軸に必要な動力)
- $P_{m}$:モーター入力動力(電気入力)
- $\eta_{p}$:ポンプ効率、$\eta_{m}$:モーター効率
- $H$:全揚程(①の計算値を使用)
実務上の注意点
- 圧力の基準:全揚程は $P_{2} - P_{1}$ の差圧なのでゲージ圧のままで構いませんが、NPSHa は絶対圧基準のため、ゲージ圧 $P_{1}$ に大気圧 $P_{a}$ を足して評価します。
- ポンプ効率 $\eta_{p}$ は型式・容量・運転点で変わります。正確にはメーカーの性能曲線の値を用います。
- NPSHa ≧ NPSHr + 余裕(目安1 m)を確保します。
参考資料
書籍
化学工学:解説と演習
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