伝熱
飽和蒸気表(温度⇔圧力・物性値)
飽和水蒸気の温度・圧力から、比容積・比エンタルピー・蒸発潜熱・比エントロピーを取得します。0〜373.95 °C の範囲で IAPWS 系の標準値に基づく線形補間。
入力
°C
0 〜 373.95 °C(臨界点)の範囲で入力してください。
0.0006117 〜 22.064 MPaA の範囲。「G」を選んだ場合は大気圧 101.325 kPa を加えて絶対圧として処理します。
計算結果
温度または圧力を入れて「物性を取得」を押してください
計算式
ゲージ圧で入力した場合は、大気圧を足して絶対圧に直します。
$$ P_\mathrm{abs} = P_\mathrm{gauge} + 0.101325\ \mathrm{MPa} $$
温度から求める場合は、入力温度をはさむ表の2点 $T_i \le T \le T_{i+1}$ の間で直線補間します。
$$ t = \dfrac{T - T_i}{T_{i+1} - T_i},\qquad X = X_i + t\,(X_{i+1} - X_i) $$
圧力から求める場合は、飽和圧力が温度に対して指数関数的に増えるため、$\ln P$ で補間の割合を決めます。温度と物性値はこの $t$ で直線補間します。
$$ t = \dfrac{\ln P - \ln P_i}{\ln P_{i+1} - \ln P_i},\qquad T = T_i + t\,(T_{i+1} - T_i) $$
蒸発潜熱と密度は、補間した値から求めます。
$$ h_{fg} = h_g - h_f,\qquad \rho_f = \dfrac{1}{v_f},\qquad \rho_g = \dfrac{1}{v_g} $$
記号の説明
- $X$:補間する物性値($P$, $v_f$, $v_g$, $h_f$, $h_g$, $s_f$, $s_g$)
- $i$, $i+1$:入力値をはさむ表の行
- $t$:2点の間での位置(0〜1)
- $T_\mathrm{sat}$:飽和温度 [°C]
- $P_\mathrm{sat}$:飽和圧力 [MPa, abs]
- $v_f, v_g$:飽和液・飽和蒸気の比容積 [m³/kg]
- $\rho_f = 1/v_f$, $\rho_g = 1/v_g$:飽和液・飽和蒸気の密度 [kg/m³]
- $h_f, h_g$:飽和液・飽和蒸気の比エンタルピー [kJ/kg]
- $h_{fg} = h_g - h_f$:蒸発潜熱 [kJ/kg]
- $s_f, s_g$:飽和液・飽和蒸気の比エントロピー [kJ/(kg·K)]
$h$ の基準点は三重点 0.01 °C・611.657 Pa における飽和液の $h$ = 0(IAPWS 基準)。
使い方の例
- 0.5 MPaG(≒ 0.6 MPaA、≒ 158 °C)の飽和蒸気を 1 kg 凝縮させたときの放出熱量 ≒ $h_{fg}$ ≒ 2086 kJ/kg。
- 冷却塔・コンデンサ設計:必要な冷却水量 = $Q / (c_p \Delta T)$、$Q$ は蒸気側の凝縮潜熱から算出。
- スチームトレース・ジャケット加熱:温度仕様から飽和圧力を逆算し、減圧弁・トラップ仕様を決定。
精度
表の代表点(0〜373.95 °C)を補間しています。0.05〜3 MPaG の範囲で IAPWS-IF97 の値と比べた差は、飽和温度 0.2 K 以内、蒸発潜熱 0.1% 以内、飽和蒸気の比容積 1.5% 以内です。臨界点(373.95 °C, 22.064 MPa)に近づくほど物性の変化が急になり、補間の誤差が大きくなります。
参考資料
- IAPWS, Revised Release on the IAPWS Industrial Formulation 1997 for the Thermodynamic Properties of Water and Steam(IAPWS-IF97)(IAPWS)
- 日本機械学会 編『伝熱工学資料』日本機械学会
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