伝熱
熱量・熱収支
顕熱、潜熱、顕熱+潜熱から、加熱・冷却に必要な熱量を計算します。
入力
質量流量が分かる場合はこちらを優先して使います。
質量流量が空欄の場合、体積流量×密度から質量流量を計算します。
入力すると平均熱負荷 kW も表示します。
°C
°C
潜熱のみでは温度差から判定できないため、加熱・除熱を選択してください。
計算結果
入力値を入れて「計算する」を押してください
計算式
熱量は、温度変化に使われる顕熱と、蒸発・凝縮・融解などの状態変化に使われる潜熱に分けて整理します。
顕熱の計算
顕熱は温度変化に必要な熱量です。比熱 $C_p$ と温度差 $\Delta T$ から求めます。
$$ Q_s = m C_p \Delta T $$
$$ \dot{Q}_s = \dot{m} C_p \Delta T $$
潜熱の計算
潜熱は状態変化に必要な熱量です。蒸発熱・凝縮熱・融解熱など、状態変化に応じた潜熱 $\lambda$ を使います。
$$ Q_l = m \lambda $$
$$ \dot{Q}_l = \dot{m} \lambda $$
顕熱+潜熱
沸点まで加熱してから蒸発させるような場合は、顕熱と潜熱を足し合わせます。
$$ Q = Q_s + Q_l = m C_p \Delta T + m \lambda $$
$$ \dot{Q} = \dot{Q}_s + \dot{Q}_l = \dot{m} C_p \Delta T + \dot{m} \lambda $$
- $Q$:熱量[kJ]
- $Q_s$:顕熱[kJ]
- $Q_l$:潜熱[kJ]
- $\dot{Q}$:熱負荷[kW]
- $\dot{Q}_s$:顕熱の熱負荷[kW]
- $\dot{Q}_l$:潜熱の熱負荷[kW]
- $m$:質量[kg]
- $\dot{m}$:質量流量[kg/s]
- $C_p$:比熱[kJ/(kg K)]
- $\Delta T$:温度差[K]
- $\lambda$:潜熱[kJ/kg]
- 水を液体から蒸気にするような操作では、顕熱より潜熱の寄与が大きくなることがあります。物性値は温度・圧力で変わるため、概算では平均温度付近の比熱や運転圧力に対応する潜熱を使い、詳細検討では温度依存性や熱損失を別途確認してください。
適用範囲と注意事項
入口から出口まで比熱 $C_p$ が一定の顕熱と、単一の潜熱 $\lambda$ を足し合わせるエンタルピー変化の計算です。入力する物性は1組だけで、区間ごとの変化は扱いません。
- 使える条件:単相のまま温度が変わる顕熱だけの場合、または一定温度での蒸発・凝縮・融解など潜熱だけの場合。比熱は入口〜出口の平均温度付近の値を1つ入れます。
- 顕熱+潜熱の限界:液体の加熱から蒸発、さらに蒸気の過熱へと進む場合、液と蒸気の比熱は異なります。入力できる $C_p$ は1つで、温度差全体にそのまま掛かります。相ごとに区間を分けて、顕熱と潜熱を別々に求めてから合計してください。
- 向きの指定:潜熱を含む場合は、加熱・蒸発か除熱・凝縮かを選ばないと計算できません。温度差の符号だけでは潜熱の向きが決まらないためです。
- 含まれない項目:熱損失、反応熱、混合熱、溶解熱、ポンプや撹拌の仕事は式に入っていません。流体のエンタルピー変化だけが求まります。
- 流量の入力:質量流量があればそれを使い、空欄のときだけ体積流量×密度から質量流量を作ります。体積流量を測った状態での密度を入れます。
- バッチの平均熱負荷:処理時間を入れると表示されるのは熱量÷時間の平均値です。時間内の最大負荷ではありません。
参考資料
書籍
化学工学の基礎と計算
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