蒸留
充填塔の理論段数と充填高さの換算(HETP)
理論段数とHETPから充填高さを、充填高さから相当する理論段数を求めます。理論段数はマッケーブ・シール法のページで求めた値を使えます。
入力
段
供給位置より上の段数です。マッケーブ・シール法のページの結果では、フィード段から1を引いた値になります。
段
供給位置より下の段数で、リボイラーは含めません。マッケーブ・シール法のページでは、理論段数 N(リボイラー込み)からフィード段を引いた値です。
m
m
充填層が複数あるときは各層の高さを合計します。
m
充填物メーカーの値や同じ系の実測値を入力します。概略の目安は下の表にまとめています。
m
-
塔頂と塔底で異なる場合は、両者の幾何平均を使います。
モル分率
全還流で運転したときの還流液の低沸点成分の組成です。
モル分率
同じときの缶出液(リボイラー内の液)の組成です。
m
充填層が複数あるときは各層の高さを合計します。
計算結果
入力値を入れて「計算する」を押してください
計算式
充填層の高さは、理論段数とHETP(1理論段に相当する充填高さ)の積です。濃縮部と回収部は液と蒸気の流量が違うため、区間ごとに計算して合計します。
$$ Z = N_R\,\mathrm{HETP}_R + N_S\,\mathrm{HETP}_S $$
全還流のデータからは、塔頂と塔底の組成からFenske式でステップ数を求め、リボイラー分の1段を引いた段数で充填高さを割ってHETPとします。
$$ S_{\min} = \frac{\ln\!\left(\dfrac{x_D}{1-x_D}\cdot\dfrac{1-x_B}{x_B}\right)}{\ln\alpha} \qquad \mathrm{HETP} = \frac{Z}{S_{\min}-1} $$
- $Z$:充填高さ[m]
- $N_R$、$N_S$:濃縮部・回収部の理論段数(リボイラーを除く)[-]
- $\mathrm{HETP}_R$、$\mathrm{HETP}_S$:濃縮部・回収部のHETP[m]
- $S_{\min}$:全還流でのステップ数(リボイラーを含む)[-]
- $\alpha$:相対揮発度[-]
- $x_D$、$x_B$:塔頂(還流液)・塔底(缶出液)の低沸点成分モル分率[-]
HETPの目安
| 充填物 | HETP |
|---|---|
| 高性能の不規則充填物(呼び径 25 mm) | 約 0.35 m |
| 高性能の不規則充填物(呼び径 50 mm) | 約 0.65 m |
| 規則充填物・金属板型(比表面積 100〜500 m²/m³) | 0.2〜0.9 m(250 m²/m³ 級で約 0.4 m) |
| 規則充填物・金網型(比表面積 500〜3,300 m²/m³) | 0.1〜0.4 m |
出典:分離技術会 編「実用蒸留技術」図4・図5、化学工学便覧 改訂六版 表10・15(Kister, Distillation Design, 1992 による)
表は炭化水素系など標準的な系の値です。HETPは物性や気液の負荷でも変わるので、設計では充填物メーカーの値や同じ系の実測値を使います。
前提条件
- 理論段数は、リボイラーを除いた充填部の段数を入力します。全縮器は段に数えません。
- 計算する高さは充填層だけで、液分散器や支持板などの空間は含みません。
- 全還流データの逆算は二成分系で相対揮発度一定とし、リボイラーを1理論段とします。
参考資料
便覧
改訂七版 化学工学便覧
Amazonで見る書籍
化学工学 ―解説と演習―
Amazonで見る
化学工学計算支援ツール