調節弁の差圧から流量を推定(液体)
調節弁の実効CvまたはKv、弁前後の差圧、運転密度から、水・低粘度液体の体積流量を簡易計算します。
入力
P1 と P2 は同じ圧力の基準で入力してください(両方ゲージ圧、または両方絶対圧)。
Δp > 0 が必要です。
運転時の開度に対応するCvまたはKvを、メーカーの表や特性曲線で確認して入力してください。カタログの定格Cv・Kvsは全開時の値です。資料が手元にないときは、流量係数の目安で見当をつけられます。
計算結果
計算式
差圧をkPa、密度をkg/m³に換算して、次の式に代入します。水の基準密度を1000 kg/m³とする工学的近似です。
前後圧力を入力した場合は、$\Delta p = P_1 - P_2$ で差圧を求めます。
体積流量の計算
入力した流量係数に応じて、次のどちらかの式を使います。
Kvを入力した場合
Cvを入力した場合
係数と流量の換算
CvとKvの換算
体積流量をL/minに換算
質量流量をkg/hで計算
記号と単位
- $P_1$:弁上流の圧力[kPa]
- $P_2$:弁下流の圧力[kPa]
- $\Delta p$:弁前後の差圧[kPa]
- $\rho$:運転温度・圧力での液体密度[kg/m³]
- $C_v$:その開度の実効流量係数。約60°Fの水が差圧1 psiで流れる体積流量の数値[US gal/min基準]
- $K_v$:その開度の実効流量係数。水が差圧1 barで流れる体積流量の数値[m³/h基準]
- $Q$:運転状態での体積流量[m³/h]
- $q$:運転状態での体積流量[L/min]
- $\dot{m}$:質量流量[kg/h]
- $F_p$:配管形状補正係数[-]。この計算では1です
流量係数の目安
計算には、使う弁のメーカーの資料にある、運転時の開度での値を使います。資料が手元にないときは、次の2つの表で見当をつけられます。
全開時の Cv(玉形弁)
弁座の口径を絞っていない単座の玉形弁では、全開時の $C_v$ が、呼び径をインチで表した数 $d$ の2乗のおよそ11〜12倍になります。
| 呼び径 | インチ | 全開時の $C_v$ の目安 |
|---|---|---|
| 25A | 1 | 11〜12 |
| 50A | 2 | 44〜48 |
| 80A | 3 | 99〜108 |
| 100A | 4 | 176〜192 |
| 150A | 6 | 396〜432 |
弁座の口径を絞った弁は、これより小さくなります。Vボール弁やボール弁は同じ呼び径の玉形弁の数倍になり、あるメーカーの 50A の公表値では、玉形弁 49、Vボール弁 163、ボール弁(全口径)251 です。
開度と Cv の割合(流量特性)
運転時の $C_v$ は、全開時の $C_v$ に、弁の流量特性に応じた次の割合を掛けて見積もります。流量特性はメーカーの資料で確かめます。
| 開度 | リニア特性 | イコールパーセント特性 |
|---|---|---|
| 10% | 10% | 3.0% |
| 20% | 20% | 4.4% |
| 30% | 30% | 6.5% |
| 40% | 40% | 9.6% |
| 50% | 50% | 14% |
| 60% | 60% | 21% |
| 70% | 70% | 31% |
| 80% | 80% | 46% |
| 90% | 90% | 68% |
| 100% | 100% | 100% |
イコールパーセント特性の割合は $C_v / C_{v0} = R^{\,x-1}$ から計算しました。開度が10%増えるごとに、流量は約48%増えます。
- $C_{v0}$:全開時の流量係数[US gal/min基準]
- $x$:開度(全開を1とする)[-]
- $R$:レンジアビリティ(全開と最小の流量係数の比)。ここでは50[-]
どちらも弁前後の差圧が一定のときの形です。配管に組み込むと開度で差圧が変わるので、イコールパーセント特性はリニアに、リニア特性は少しの開度で大きく流れる形に近づきます。小さい開度ではこの形から外れる弁もあります。
適用範囲と注意事項
水・低粘度液体の単相・乱流・非チョーク流れを仮定した簡易推定です。
- 使える条件:水・低粘度液体の単相、乱流、非チョーク流れを仮定し、配管形状補正係数$F_p = 1$とします。気体・蒸気は対象外です。
- 含まない補正:キャビテーション、フラッシング、高粘度、異径管による補正を含みません。差圧だけではキャビテーション・フラッシング・チョークの発生を判定できません。
- 実機での確認:実機の弁選定や運転判断では、蒸気圧、弁の圧力回復係数、配管条件を含むメーカーの計算で確認してください。
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