配管の耐圧と必要肉厚
管の外径と厚さ、材料の許容引張応力から、内圧に耐えられる圧力と、圧力に要る最小の厚さを計算します。JIS のスケジュール管と SGP は、呼び径とスケジュールを選ぶと寸法が入ります。
入力
( )内は呼び厚さです。
誤差と腐れしろを引く前の、規格や図面の厚さを入力してください。
管の内側の圧力をゲージ圧で入力してください。高圧ガス保安法の例示基準、ASME B31.3 とも設計圧力を使います。
設計温度での材料の値です。材料と温度で決まります。値の例は配管の許容引張応力の一覧にあります。
継目無管は 1 です。電気抵抗溶接管などで、許容引張応力にあらかじめ溶接効率を掛けた値を使うときも 1 にします。
腐食や摩耗で減る分の厚さです。空欄なら 0 として計算します。
管が呼び厚さより薄くできてもよい分(マイナス側の許容差)です。管の種類を選ぶと、その規格で厚さをいちばん薄く見込む値に切り替わります。製法が分かれば選び直してください。
計算結果
計算式
内圧を受ける直管の肉厚を、高圧ガス保安法の例示基準の式で計算します。薄肉の式は、ASME B31.3 の直管の式で係数 $Y$ を 0.4、$W$ を 1 としたときと同じ形です。
薄肉の式(外径と内径の比が 1.5 以下)
厚肉の式(外径と内径の比が 1.5 を超える)
外径と内径の比が 1.5 になるのは、圧力が $\sigma_a \eta$ の 1/2.6(約 38%)のときです。これより低い圧力では薄肉の式、高い圧力では厚肉の式を使います。境目では2つの式が同じ厚さ(外径の 1/6)を出すので、式が切り替わっても結果は途切れません。
呼び厚さとの関係
式で求めた $t$ に腐れしろ $c$ を足し、さらに製造時の誤差 $\delta$ を見込んで、次を満たす呼び厚さを選びます。腐れしろと誤差の見込み方は、ASME B31.3 と同じです。
- $t$:内圧に要る最小厚さ[mm]
- $t_n$:呼び厚さ(スケジュールの厚さ)[mm]
- $D_o$:外径[mm]
- $P$:圧力(ゲージ圧)[MPa]
- $\sigma_a$:設計温度での許容引張応力[N/mm²]
- $\eta$:溶接効率[-]
- $c$:腐れしろ[mm]
- $\delta$:製造時の厚さの誤差(マイナス側)[mm]
製造時の厚さの誤差の目安
| 管 | 製法 | 厚さの誤差(マイナス側) |
|---|---|---|
| STPG(JIS G 3454) | 熱間仕上継目無 | 4 mm 未満は 0.5 mm、4 mm 以上は 12.5% |
| STPG(JIS G 3454) | 冷間仕上継目無・電気抵抗溶接 | 3 mm 未満は 0.3 mm、3 mm 以上は 10% |
| ステンレス鋼管(JIS G 3459) | 熱間仕上継目無 | 4 mm 未満は 0.5 mm、4 mm 以上は 12.5% |
| ステンレス鋼管(JIS G 3459) | 冷間仕上継目無・溶接 | 2 mm 未満は 0.2 mm、2 mm 以上は 10% |
| 大径ステンレス鋼管(JIS G 3468) | 溶接 | 8 mm 未満は 12.5%、8 mm 以上は 10% |
| SGP(JIS G 3452) | - | 12.5% |
出典:日本製鉄 圧力配管用炭素鋼鋼管の納入申請図(JIS G 3454)、日本製鉄 建設用資材ハンドブック 配管用炭素鋼鋼管(JIS G 3452)、JIS G 3459 改正原案の表10、JIS G 3468 改正原案の表8
適用範囲と注意事項
内圧だけを受ける直管の肉厚を、設計の前に見積もるための計算です。
- 使える条件:内圧を受ける直管。許容引張応力は設計温度での値を使います。
- 使えない条件:外圧や真空(管がつぶれる向きの力で厚さが決まる)、エルボ・分岐・フランジ、曲げ・熱膨張・振動による力。ASME B31.3 では、フェライト鋼で 482 °C、オーステナイト鋼で 566 °C を超えると係数 $Y$ が 0.4 より大きくなるので、この式をそのまま使えません。
- 法令の設計:高圧ガス保安法などの対象の設備は、適用する基準の式と許容引張応力で確かめてください。
- 寸法の表の範囲:STPG は 10A〜600A の Sch10〜80、ステンレス鋼管は JIS G 3459 の表7 の 6A〜650A(Sch5S〜20S は 300A まで)、大径ステンレス鋼管は JIS G 3468 の 150A〜1000A(Sch40 は 600A まで)、SGP は 10A〜500A です。表7 と厚さが違う溶接管の寸法(同じ規格の表8)や、ほかの管は「外径と厚さを入力」を選んでください。
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